毎年、これから巣立つ、若手工芸家の最初の一歩を、社会全体で支える活動「ファースト・パトロネージュ・プログラム(FPP)」は、第5回目の開催を迎えます。

今回は、本サイト上での展覧会(10/28〜12/31)と併せて、コミュニケーションとインスピレーションの場、「3331 ART FAIR 2021」での特別展も開催いたします。文化芸術を、購入することで積極的に支え、明日を拓く創作の源泉につなげていこうとする両者の姿勢が重なり、このたび、「3331 ART FAIR 2021」との併催が実現しました。 リアルで、オンラインで、「社会みんなでハジメテ支援」にご参加のほど、どうぞ宜しくお願い致します。

本展の出展者は、今回から新たな方式で選抜されました。

第一線で活躍される工芸家、名門校の教授陣から「まさにこれから生業として立つ、まだ日の目を浴びていない作家で、次世代を担う個性、才能、技術、伸びしろ、ポテンシャルのある40歳未満の作家」をご推薦いただいたなかから、当財団が依頼した然るべき審査員から選抜された20人です。

師事する作家の推薦を得、および選抜を経ないと、この舞台には立てません。

個展経験は少ないながら、その輝きを各所で示してきた出展作家たちの今後「この分野で立つ」意志は固く、現在は副業で支えられていますが、今回多くの方々の目に触れることや出会いによって、多くを得ることを期待しています。

❖開催概要

ファースト・パトロネージュ・プログラム(FPP)第5 回 2021 秋
主 催= ⼀般財団法⼈ 川村⽂化芸術振興財団
協 ⼒= ⼀般社団法⼈ ザ・クリエイション・オブ・ジャパン(CoJ)
認 定= 公益社団法⼈ 企業メセナ協議会

【オンライン展覧会(本サイト)】
会期= 2021年10⽉28⽇(⽊) 〜12⽉31⽇(⾦)

【3331 ART FAIR 2021 特設展⽰会】
会期= [プレビュー] 2021年10⽉28⽇(⽊) [⼀般] 2021年10⽉29⽇(⾦)〜31⽇(⽇)
会場= 3331 Arts Chiyoda B1F特設会場 (東京都千代⽥区外神⽥6丁⽬11-14)
(東京メトロ「末広町」「湯島」、JR「御徒町」駅至近)
⼊場料= 特別展入場無料エリア 展⽰即売
特別協⼒= 3331 Arts Chiyoda
※3331ART FAIR観覧には、料金一般2500円/シニア(65歳以上)2000円/学生1000円が別途かかります。
※アクセスおよび、3331ART FAIR2021詳細はhttps://artfair.3331.jp/about/をご覧下さい。

【作家選考の審査員】
⿊⽥耕治⽒(しぶや⿊⽥陶苑)、⼩⼭登美夫⽒(TOMIO KOYAMA GALLERY)、遠⼭正道⽒(スマイルズ)、福⽥朋秋⽒(⾼島屋MD 本部美術部)

【出品作家数】 20名 
※本サイトのオンライン展覧会と3331ART FAIRでの出展作家は同じです。
※それぞれ別作品が出品。

【出品作品ジャンル】
陶芸、漆芸、造形、ガラス、テキスタイル、着物、鋳⾦、曲⽊造形

❖ファースト・パトロネージュ・プログラムの趣旨と仕組み

2017年に始まった本事業は、次の点を重視し取り組んでいます。
①⼯芸分野で制作活動を始めたばかりのつくり⼿達にとって「ロケットスタート」になる機会を提供する。
②つくり⼿の応援者を⽇本社会に増やしてゆくことで、⽂化創造の発展を⽬指す。

●本事業の始まり
“芸術を⽀えること・参加すること”を振興する⼀般財団法⼈川村⽂化芸術振興財団では、無名のつくり⼿たちが仕事を続けられる環境ができるまで⻑い時間がかかっている現状を踏まえ、つくり⼿が育ち活躍していく場を広げるため、これからの⽇本に「パトロネージュ(⽀援)の⼼」を拡げたいと考えこのプログラムを⽴ち上げました。その機会は社会全体の中で、「買い手」はもちろん、さらに「メディア」や「産業界」や「コレクター」「ギャラリスト」など様々な⽅々と協⼒して創出されてゆきます。

●本プログラムの仕組み(図参照)
各⽅⾯から推薦され選考された作家が出品し、作品販売を⾏います。
本プログラムでは、作品購⼊ごとに特別な応援者の証「ファースト・パトロン・カード」が渡されます。カードにはつくり⼿からの御礼のコメントが記載され、つくり⼿と応援者が末永く関係出来るよう後押しをします。また、カードが多く貯まっていくことで、応援者の更なる応援の気持ちを育みます。
2017 年(第1 回)2018(第2 回)2019(第3 回)丸の内KITTE で年末2⽇間弱の会期でつくり⼿たち来場のうえ実施し、各回平均で9000⼈前後が来場、平均300件、400点以上の⼯芸作品がファースト・パトロンたちに購⼊されています。

ファースト・パトロネージュ・プログラムの仕組み

❖ファースト・パトロネージュ・プログラム2021 第5回 秋 参加作家⼀覧

⽒名|ふりがな|素材|作品の特徴|制作地域|推薦作家

荻野 由梨|おぎの・ゆり|陶芸家|
たたら成形、⼿びねり成形|岐⾩県多治⾒市|中島晴美(陶芸家、多治見市陶磁器意匠研究所所長)推薦

五嶋 穂波|ごしま・ほなみ|陶磁作家|
陶磁、たたら成形、型押し、⼿びねり|岐⾩県多治⾒市・瑞浪市|駒井正人(陶芸家、多治見市陶磁器意匠研究所職員)推薦

丹⽻ ⼀尊|にわ・かずたか|陶芸家|
⼿びねり、ひもづくり、粘⼟|岐⾩県多治⾒市|伊村俊見(陶芸家・岐阜県立多治見工業高等学校 専攻科教諭)推薦

古井 晶⼦|ふるい・あきこ|陶芸家
半磁器⼟、⼿捻り|愛知県|中島晴美(陶芸家、多治見市陶磁器意匠研究所所長)推薦

簑輪 孝治|みのわ・たかはる|陶芸家|
陶⼟、磁⼟、顔料|愛知県常滑市|吉川千香子(陶芸家)推薦

村⽥ ⾔恵|むらた・ことえ|陶作家|
⼿びねり成形、⾼⽕度釉薬の特性を活かした加飾|富⼭県氷⾒市|山本健史(陶造形家、金沢美術工芸大学工芸科教授)推薦

望⽉ 美鶴|もちづき・みつる|陶芸作家|
⼿捻り、陶⼟、泥漿|愛知県⻑久⼿市|中島晴美(陶芸家、多治見市陶磁器意匠研究所所長)推薦

遠藤 茜|えんどう・あかね|漆⼯/造形作家|
乾漆技法、変わり塗り|⽯川県金沢市|田中信行(漆造形家、金沢美術工芸大学教授)推薦

⼩⻄ 紋野|こにし・あやの|蒔絵アーティスト|
⾦銀粉・⾊漆・螺鈿・卵殻等を⽤いた研出蒔絵、⾼蒔、及び新しい素材・技法の研究|⽯川県輪島市|若宮隆志(彦十蒔絵プロデューサー)推薦

齋藤 みどり|さいとう・みどり|漆芸作家|
乾漆、漆縮み|⽯川県⾦沢市|田中信行(漆造形家、金沢美術工芸大学教授)推薦

島⽥ 怜奈|しまだ・れいな|蒔絵アーティスト|
蒔絵、箔絵、彩度の⾼い漆絵|⽯川県輪島市|若宮隆志(彦十蒔絵プロデューサー)推薦

晁 男|ちょう・なん|漆造形作家|
漆の乾漆技法|⽯川県⾦沢市|田中信行(漆造形家、金沢美術工芸大学教授)推薦

伴野 崇|ともの・たかし|漆芸家|
髹漆|⻑野県南佐久郡佐久穂町|小森邦衞(重要無形文化財「髹漆」保持者)推薦

佐藤 幸恵|さとう・ゆきえ|ガラス作家|
ガラスキャスティング(鋳造)|東京都|齋藤敏寿(作陶家、筑波大学芸術系工芸領域准教授)推薦

⽵岡 健輔|たけおか・けんすけ|ガラス作家|
ガラス/吹きガラス、ホットワーク、キルンワーク|富⼭県富⼭市|本郷仁(富山ガラス造形研究所主任教授、富山ガラス工房館長)推薦

野⼝ 真愛|のぐち・まえ|ガラス作家|ガラス、ホットワーク、ソリッドワーク|富⼭県富⼭市|本郷仁(富山ガラス造形研究所主任教授、富山ガラス工房館長)推薦

⽯井 佑果|いしい・ゆうか|テキスタイル作家|綴織、かぎ針編み、異素材との組み合わせ|神奈川県横浜市|渡邊三奈子(女子美術大学工芸専攻教授)推薦

関⽔ 美穂|せきみず・みほ|着物作家|
型染、引き染め、ぼかし|神奈川県藤沢市|上原利丸(東京藝術大学美術学部工芸科教授)推薦

濱⼝ 佳純|はまぐち・かすみ|鋳⾦作家|
鋳⾦、⾦属、ガス型鋳造法、樹脂原型|⽯川県|畠山耕治(金属作家、金沢美術工芸大学教授)推薦

亘 章吾|わたり・しょうご|曲⽊造形作家|
積層曲⽊(技術)、吉野檜(素材)|京都府京都市|中川周士(桶職人、中川木工芸比良工房主宰)推薦